野党会派合流/政権の選択肢示す態勢を

 立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」が10月4日に予定される臨時国会召集前に、衆参両院で会派を合流させることになった。

 会派は、衆参それぞれで国会活動を共にする議員グループのことで、違う政党同士でも組むことができる。国政選挙の連勝で得た巨大与党の数の力を背景に強権的に国会を運営する安倍政権に対抗する野党の枠組みを何とか整えたが、スピードが遅すぎる上に不十分と言わざるを得ない。

 立民の枝野幸男、国民の玉木雄一郎両代表が衆参両院での会派合流で一致したのは1カ月前の8月20日だ。しかし、その直後から同床異夢が露呈した。

 立民の原発ゼロなどの基本政策を国民が理解し、相互に協力すると確認したはずだったが、玉木氏が、立民が提出を主導し協力を求める原発ゼロ基本法案について党総務会で内容は容認していないと説明。枝野氏が「協力いただけないのなら党首間の合意違反だ。合意自体が駄目になる」とけん制する事態に陥った。

 5日後に行われた、参院選後初の与野党対決となった埼玉県知事選で野党が支援した大野元裕氏が勝利、合流を優先する声が強まり、最終決着は先送りされた。

 しかし立民が、自らの会派に他党派が加わるとの立場を取ったことに国民が反発したため協議は今月に入っても加速しなかった。

 最終局面でもめたのが合流後の参院会派人事だ。当初、枝野、玉木両氏は今月17日に会談する予定だったが、会長などを誰にするかで調整が難航し20日に延期された。参院側の会長に立民の長浜博行元環境相、幹事長に国民の大塚耕平代表代行が就任することでなんとか折り合った。

 しかし会派合流にこぎ着けたからといっても評価できる段階ではない。2017年の希望の党への合流に伴って分裂した旧民進党のメンバーがまた集まっただけ、との冷ややかな見方をどう払拭(ふっしょく)していくのか。

 さらに衆院任期も折り返しが近く、解散と総選挙にも備えなければならない。衆院選は参院選と違って政権選択であり、選挙区調整のみならず、連立政権を前提に基本政策を一致させ、首相候補も統一しなければ安倍政権に対するもう一つの選択肢を示すことはできないだろう。

 そもそも野党6党派が幹事長・書記局長会談で、今夏の参院選に合わせた衆参同日選を視野に連携構築を確認したのが今年2月だ。あまりにも足踏み状態が長すぎる。

 今後の国会、さらには次の衆院選で安倍政権を追い込んでいくつもりなら、消費税廃止を訴えて参院選で躍進した、山本太郎代表率いるれいわ新選組とどう連携するのかも大きな課題だろう。山本氏は、野党共闘に加わる条件として、10%になる消費税率の5%への引き下げへの賛同を挙げているが、立民、国民は8%に戻す案を想定している。この点をどう調整するのか。

 その山本氏は、永田町での会派合流の動きを横目に北海道・利尻島を皮切りに全国行脚を始めた。立民、国民も早急に合流問題を完全決着させ、臨時国会での論戦に備えるとともに国民に政権交代へのメッセージを発信する態勢を整えなければならない。

2019年9月25日 無断転載禁止