きらめく星 エチオピア王家物語

秋の夜空=2018年8月13日、三瓶自然館サヒメルで魚(ぎょ)眼(がん)レンズで撮影(さつえい)、11月中旬なら午後8時ごろ、このように見える
おとぎ話の星座を見つけて

 秋の星(せい)座(ざ)にまつわる昔話を一つしましょう。

 エチオピアという国のお妃(きさき)様カシオペヤは、「私(わたし)の娘(むすめ)のアンドロメダ姫(ひめ)は、海の妖精(ようせい)たちより美しい」と自(じ)慢(まん)しました。それを聞いた海の神様は「人間のくせに、わしの孫(まご)娘(むすめ)たちと比(くら)べるとはけしからん」と言って怒(いか)り、大きな化(ば)けクジラをエチオピアであばれさせたので、国は滅(ほろ)んでしまいそうになりました。

 困(こま)り果(は)てた王様のケフェウスが神様に祈(いの)ると、「アンドロメダを化けクジラのいけにえに差し出すように」とのお告(つ)げがありました。仕方なくアンドロメダは海岸の大きな岩に鎖(くさり)でつながれたのです。そこに化けクジラがやってきて、アンドロメダをひとのみにしようとしました。

 そのとき上空に、翼(つばさ)のある馬ペガススにまたがった勇者ペルセウスが現(あらわ)れました。ペルセウスは、見るものすべてを石に変えるという怪物(かいぶつ)を退(たい)治(じ)した帰り道だったので、持っていた怪物の首を化けクジラに見せました。すると化けクジラはたちまち石になり、海の底に沈(しず)みました。こうして助けられたアンドロメダは、ペルセウスと結(けっ)婚(こん)して幸せに暮(く)らしたということです。

 これはギリシャ神話をもとにした物語ですが、登場人物は星座になっていて、今ごろの夜空によく見えています。

 頭の真上近くに長方形に並(なら)んだ四つの星は、秋の四辺形と呼(よ)ばれ、天(てん)馬(ま)の星座ペガスス座の胴体(どうたい)にあたります。その東側にはアンドロメダ座がつながっています。さらに東に勇者のペルセウス座があり、その北にはお妃様のカシオペヤ座と王様のケフェウス座があります。また、大(だい)怪(かい)獣(じゅう)のくじら座は秋の四辺形の南東にあります。

 見つけにくい星座もありますが、このおとぎ話に出てくる星座を、まるで絵(え)巻(まき)物(もの)のような夜空から一つでも二つでも探(さが)してみてください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2019年11月13日 無断転載禁止

こども新聞