レッツ連歌(下房桃菴)・11月14日付

 人生まさかがあるもので、病院のベッドで頭をしぼっています。おかげさまで退屈する間がありません。どうか手術が成功し、入選しますように。

 お名前はさし控えますが、さるかたから、作品に添えて、こんな一言を頂戴しました。うれしいですね。

 こういうかたなら、手術は100パーセント成功します。入選も間違いないでしょう。私のほうが元気をもらいました。ありがとうございました。

   ◇

コメントをする立場にはありません

 バレたとしても認めたら負け   (沖縄・石垣)多胡 克己

第三者委に仰ぐ判断           (出雲)行長 好友

文学賞を三度も逃して          (江津)井原 芳政

尻ぬぐいして飛ぶ部下の首        (浜田)勝田  艶

一週間後きっと辞めるぞ         (松江)山崎まるむ

高くてまずいお隣りの店         (安来)根来 正幸

なんだか妙に落ち着いている       (川本)高砂瀬喜美

ロウソクの科学読んでみました      (美郷)芦矢 敦子

友の新婦がオレの元カノ         (雲南)福場 仁一

元のダンナの離婚騒動          (益田)可部 章二

目は口ほどにものを言うとか       (江津)岡本美津子

運んだだけの重い菓子折         (飯南)塩田美代子

それほどまでにひどい句ですか      (出雲)有藤 晴幸

モノクロで撮る秋の紅葉         (境港)稲賀  潔

わがまま言えぬ居候の身         (益田)石川アキオ

まず女房が落ち着いてから        (益田)石田 三章

儀礼の範囲は心得てます         (益田)吉川 洋子

わたしもほしいスーツ一着        (出雲)岩本ひろこ

いつ寝返るか分からないヤツ       (江津)花田 美昭

嫁をかばうか母を立てるか        (美郷)芦矢 修司

君の奥さんバイトしてたよ        (浜田)山崎 重子

天知る地知る国民が知る         (美郷)吉田 重美

娘が好きになったヤツなど        (川本)大畑喜美子

黙っていただく嫁の手料理        (松江)高木 酔子

口が堅いと評判の彼           (松江)桑谷 節子

いやにはっきり堂々と言う      (隠岐の島)大田 有子

後ろ姿はみんな見ている         (浜田)玉田 秀子

選挙前とはうって変わって        (雲南)妹尾 福子

仲人さんに丸めこまれて         (松江)花井 寛子

孫が描いた爺ちゃんの顔         (松江)小谷由紀子

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(挿絵・麦倉うさぎ)
 ノーベル賞に輝いた吉野彰さんが小学生のころ読んで科学に興味を持ったという『ロウソクの科学』―、急遽増刷されてバカ売れだそうです。私も早速読んでみました。ファラデーも吉野さんもすごいけれど、彰君にこの本を薦めた小学校の先生が偉いと、私は思いました。

 修司さんの嫁姑―。「かばう」と「立てる」を、うまく使い分けられました。なんでもないことのようですが、これが逆だったら、やっぱりちょっと変ですよね。

 重子さんの「バイト」―。どんなバイトでしょうか。ふつうのバイトなら、人に教えられなくても、ダンナは知っているはずで…。

 由紀子さんの句は、敬老の日に三歳児が描いてくれた絵? でも、爺ちゃんは、いささか複雑なご心境?

 第一、その顔から直接手足が生えている。

 もっとも、このテの絵は、不思議なことに、万国共通なのだそうで、幼児画の専門家は「頭足人」という名前まで付けております。

 コメントできない理由(口実)もいろいろあるようですが、実は私のいちばん腹の立つのは、「訴状を読んでいないので」…。読めぇ、ちゅうんじゃ!

 そんな句もあるかと期待しておりました。

 次の前句は、

  それならそうと早くおっしゃい

 この句に今度は長句(五七五)を付けてください。

(島根大名誉教授)

2019年11月14日 無断転載禁止

こども新聞