レッツ連歌(下房桃菴)・12月12日付

 それならそうと早くおっしゃい

お袋が今夜泊りに来るそうだ        (松江)持田 高行

吊り橋は真ん中どこに穴があき       (松江)岩田 正之

苦手とは知らずに買った甘い菓子      (川本)大畑喜美子

その服は女物だよお父さん         (松江)立原 松子

五六人倒しておいて出す印籠        (松江)澄川 克治

捨て猫の餌小遣いで買っている       (松江)花井 寛子

君のこと思い続けて五十年        (奥出雲)松田多美子

東京の夏はあんまり暑すぎる        (松江)安東 和実

沿道の二階の部屋を予約して        (雲南)錦織 博子

大臣の椅子に座ったばかりじゃん      (浜田)勝田  艶

身の丈で英語の試験延期され        (益田)石川アキオ

ダイジョーブワタシニホンゴハナセマス (出雲)はなやのおきな

母さんに会わせたい人連れてきた      (松江)田中 堂太

今日もまた忘年会に誘われて        (飯南)塩田美代子

以前から才能ないと思ってた        (松江)黒田 人鳥

私こそ別れたいなと思ってた        (松江)黒田 真平

ああイヤだひい婆ちゃんにされちゃった   (松江)早川 幸寿

紙パンツ持ってヨチヨチ一歳児       (益田)吉川 洋子

さっきから我慢しているバスの旅      (松江)今井 ヒロ

内閣の公的行事だったのね         (江津)岡本美津子

朝五時に起きて作ったお弁当        (出雲)野村たまえ

流星群きれいだったよお母さん       (雲南)渡部 静子

(挿絵・麦倉うさぎ)
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 来年の「新春特集」の前句は、

  新春の興行祝う鏡割り

 この句に、めでたく七七の句を付けてください。

 「鏡割り」とは、本来は、鏡餅を下げてそれを食べる年中行事の一つですが、今は、祝いごとのとき、四斗樽(しとだる)の蓋を叩き割って、その場の客に酒をふるまう習慣を指すことが多いようです。

 が、それはそれとして、「鏡割り」そのものにはあまりこだわらないのが、こういう前句に付ける場合の一つのコツ!

 もっといえば、前句なんかはいっそ忘れて、お正月らしいめでたいことをなにか一つ言っておけばよい。たとえば、獅子舞がどうのこうのと付けるだけで、じゅうぶん立派な作品になりえます。

 こんな楽なことは、めったにありません。連歌というものをまだ一度も詠んだことがないというかたには、絶好のチャンスです。

           ◇

 あわせて、来年の「特集」では、日ごろの「レッツ」についての、みなさんのご感想、ご意見、ご要望も広くご紹介したいと思っております。

 選者が3人になって、1年がたちました。それぞれの選句のしかた、コメントの書きぶりにも、おのずから個性があることでしょう。そういうことに対するえり好みなんかもお聞かせ願えればと存じます。

 挿絵は現在、麦倉うさぎさんとAzuさんとにお願いしておりますが、お二人の画風はずいぶん違いますよね。それ以前に、そもそもどの句を取り上げて絵にするかという点に、お二人それぞれの個性が見てとれるように、私は思っております。

 どの句にどんな絵を添えてほしいなどということは、選者はふだん、いっさい申しておりません。ですから、私どもの思いもつかぬ絵が描かれてびっくりすることも再々。それも、前句に対する付句の関係と同じと悟って、私は楽しませてもらっております。みなさんはいかがでしょうか。

 そんなこんなで、「レッツ」にまつわるどんなことでも、ただし、なるべく簡潔に。投句はしないけれど意見だけは、というおはがきも歓迎します。

           ◇

 私の担当は、今年はこれが最後となりました。

 みなさん、どうかよいお年をお迎えください。

               (島根大名誉教授)

2019年12月12日 無断転載禁止

こども新聞