吉賀町立六日市中3年生 被害者の早期帰国願う

昨年5月に開かれた横田めぐみさんの写真展に足を運んだ母早紀江さん
「拉致問題」を考える

 吉賀町立六日市中学校(同町六日市)では、3年生(18人)の社会科公民の単元「自由権」の中で、北朝鮮の拉致問題をテーマとして取り上げた。その中では、昭和52年、当時中学1年生だった横田めぐみさんが、下校途中に北朝鮮当局により拉致された事件を題材に、残された家族の苦悩や懸命な救出活動の模様を描いたドキュメンタリー・アニメ『めぐみ』のDVDも鑑賞した。生徒たちは授業後、拉致被害者やその家族への心情に思いをはせながら、拉致に対する憤り、拉致問題に対する自分の訴えなどをまとめた。そのうち、9編を紹介する。

日常の行動や発言に注意

 向井 優菜

 私はアニメ『めぐみ』を見て、「人権って何だろう」と思いました。「人権は一人一人が持つ大切なもの」と聞きますが相手の人権を守れているのはほんのわずかな人数しかいないと思います。

 実際にテレビやメディアで人を傷つける発言をしている人がたくさんいます。それでは人権を尊重しているとはとても言えません。

 アニメの中で、拉致された娘を自分たちの手で北朝鮮から連れ戻そうとする場面を見て、世の中をいい方向に変えていけるのは日ごろの私たちの行動や発言だと思いました。私たちが自分の発言に気をつけることが、人権の尊重や拉致問題解決につながると思います。

奪われた幸せな時間、願い

 向井 陽菜

 拉致によって家族で過ごす幸せな時間が奪われてしまいました。横田めぐみさんのお父さんが願っていた、たった一つのこと、それは家族の幸せでした。「幸せになる」という、誰もが持っていい願いで、かなえてもいいことなのに、拉致という行為によって横田さん一家は願いどころか、希望までも奪われてしまいました。

 拉致は、これからの歴史に二度とあってはいけないことです。この事件が起こって40年もの長い年日がたっているのに、今もなお北朝鮮に拉致されている人たちがいます。横田さん一家のように、毎日大切な人の帰りを待っている人たちのことを思うと胸が苦しくなります。

 私はこの問題が早く解決し、つらい思いをする人が一日でも早くいなくなることを願っています。

自由奪うのは 許されない

 山田 伊吹

 拉致をした人にも何か理由があったのかもしれませんが、だからといって人の自由を奪っていいわけでは絶対にありません。私は、家族や友だちが一人でもいなくなるのは耐えられません。人であれば誰もがそう思うはずです。

 過去を変えることはできないけれど、今後、拉致問題が解決に向かい、悲しむ人たちがいなくなることを願います。

自分の暮らす環境に感謝

 岡 輝羅々

 今、私が置かれている環境はとても幸せで、感謝、ありがたみをもって生活しなければならないと改めて感じました。

 めぐみさんはもっと家族といたかったと思います。なのに自由を奪われた悲しみや悔しさ、いろいろな感情の中、待ち続けている時間を決して無にしてはいけないと思います。

 拉致、それは人々の自由を奪うものです。誰かにその非道さを広めることで、少しでも多くの人を救うことができたらいいなと思います。

昨年6月、安倍首相との面会後、記者会見する拉致被害者の家族
許しがたい人権侵害行為

 山田 光琉

 これまでは拉致問題についてあまり考えたことがありませんでしたが、アニメ『めぐみ』を見てさまざまなことを考えさせられました。拉致は決して許されない行為で、今後もう二度と起こらないでほしいと思いました。

 横田めぐみさんの両親は、北朝鮮から何と言われようとそれを鵜(う)のみにせずに、娘を助けるためにたくさんの努力をされています。大切な家族の絆を踏みにじる、拉致という行為は重大な人権侵害で絶対に許されません。一日でも早く、拉致された方々が日本に帰ってきてほしいと願います。

人ごとでは済ませられぬ

 中村 由起

 北朝鮮に拉致された日本人がいることは、ニュースで少し見たことがあったので以前から知っていました。しかし、その時は詳しいことは全く分からず、ただぼんやりと「そんなひどいことがあったんだ」と思うだけでした。

 しかし、今回、アニメ『めぐみ』を視聴し、拉致された横田めぐみさんについて詳しく知り、なんて残酷なことなんだと改めて強く思いました。全く知らない人たちに突然暗い所に閉じ込められ、知らない場所へ連れて行かれる。想像するだけでぞっとします。

 私はこのことをもっともっと多くの人に伝えなければいけないと思います。現状をより多くの人たちが知ることで、少しでも力になれることが増えると思います。

 このまま、めぐみさんと家族が会えずに終わるなんて、あってはならないことです。そうならないためには、一人でも多くの人が拉致問題の残酷さを知ることが一番最初のステップなのではないかと思います。

2002年10月、北朝鮮から帰国し、タラップを下りる拉致被害者たち=羽田空港
残酷さ知ることが第一歩

 鉾立 珠己

 横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから40年以上の年月が流れても、家族は「早く帰ってきてほしい」と願い続けています。私もめぐみさんのことを考えると、なぜ北朝鮮に拉致されてしまったのだろうか、なぜ北朝鮮は本当のことを言わないのだろうか、と思ってしまいます。

 めぐみさんの他にも拉致された人がたくさんいることと、そのうちわずか5人しか日本に帰ってきていないと聞きました。被害者の家族は、今でも家族の生還を訴え続けています。私たち日本人は、その話を聞いて、受け止めて、伝えていかなければなりません。

 めぐみさんをはじめ拉致された方々が生きていて、無事に日本に帰ってこられることを私は願います。

聞いて受け止め伝えよう

 中谷 夏鈴

 私は拉致問題に対して今までは「拉致された人はかわいそうだな」としか思っていませんでした。しかし、先生から「島根県にも拉致されたかもしれない人がいる」と聞き、拉致問題は人ごとで済ませてはいけない、と思いました。

 もしも私の大切な人が拉致されたら、と考えるととても苦しい気持ちになり、拉致被害者の方たちが一日でも早く帰ってきてほしいと思います。

 今回の授業を通して、拉致問題は人ごとではなく、拉致された人とその家族のために自分ができることをしたい、と強く思いました。

自分にできることないか

 岡本 萌果

 アニメ『めぐみ』を見て、人間にとって「自由」がどれだけ大切なのか、そして今、私がどれほど幸せなのかがよく分かりました。

 アニメの中で一番心に残っているのは、めぐみさんの家族が町内で署名を呼び掛ける場面です。拉致被害者の家族の心に寄り添うのはとても大切なことです。「自分には関係ない」ではなく、「自分にできることはあるか」と思うことが必要だと思います。

 私は今「自由」だと思います。この自由という一つの権利を大切にしたいです。そして、いつかめぐみさんのご家族に幸せが訪れることを、私は心から祈っています。

2019年12月24日 無断転載禁止

こども新聞