世事抄録 還暦

 来年は子年。還暦の年を迎える。さまざまなものが円を描くように巡り、原点に戻っていく。これまでの経験から全ては「円に成る」ために何かに動かされているのではと感じることが多くなった。

 このたびは「前世」で深いつながりがあった人とこの世でまた出会ってしまう、強く、不思議な巡り合わせについて考えてみた。人と人との出会いは自然なことだ。でもよく考えれば国や出身地、年齢や性別、経歴など出会う確率の掛け算により天文学的にその確率は低くなっていく。それでも人は必然のように人と出会う。

 その際、よく使われるのが「前世からの因縁」という言葉だ。皆さんも初対面のはずなのに、どこかで会ったことのあるような懐かしい感じがしたという経験はないだろうか。私はある。神在月に出雲の国に集う神様たちはどの縁を結ぶのかについて話し合いをされるらしい。前世で深いつながりがあったため、この世では会わせるはずがなかった人を誤って会わせてしまうことがあるのかもしれない。

 たとえ会ったとしても、ほとんどは気付かずに終わるのだろう。何かのきっかけでそのことに気付いた人たちは確信まで持てないまでも、強い、強い絆を確かめ合い、現世でその縁をどう昇華したらいいのか、思いを巡らせているのではないだろうか。来年は円になる自分の人生を俯瞰できればと思っている。

(雲南市・マツエもん)

2019年12月26日 無断転載禁止