レッツ連歌(要木木純)・12月26日付

(挿絵・Azu)
 令和元年も終わろうとしています。「平成も最後の年となりにけり」で始まったこのシリーズも、皆さまのおかげで盛り上がってきましたが、ひとまずここで区切りをつけて、新しいシリーズに入りましょう。そういうわけで今回は、いつもは選ばないのですが、次が付けにくい句も若干入れてみました。私の大好きな訳の分からない変な句もこの機会に。なぜそうなるんだろうと推理するのも楽しいですよ。皆さまもどうぞ。



           ◇

○決して中を見ないでください

 それならばどうして渡す玉手箱     (松江)小谷由紀子

 イザナギは命からがら逃げおおせ    (松江)持田 高行

○長生きしてりゃいろいろあるわさ

 縁あって娘と同い年の妻        (松江)桑谷  夢

 元カノが嫁いだ孫の義母となり     (美郷)芦矢 修司

○一寸先は闇というのに

 あの人は屁理屈だけで生きている    (出雲)出川 武範

○くすぐったくてくすぐったくって

 カメムシに居心地のよい脇の下     (浜田)勝田  艶

 ねこじゃらし私はねこになりました   (松江)田中 堂太

 けんかした夫婦がなぜか大笑い     (浜田)滝本 洋子

○もとが悪けりゃどうしようもない

 砂糖味噌ソースケチャップ足してみる  (美郷)芦矢 敦子

○相手によって変身をする

 いやだねえ誰に似たのかうちのポチ   (益田)吉川 洋子

 本当に自分をだますのがうまい     (松江)早川 幸壽

○ぽっこりおなかは居座ったまま

 改装の店に変わらぬ布袋さん      (江津)花田 美昭

 信楽のたぬきに昭和も遠くなり     (益田)可部 章二

○女子全員に言ってたらしいぜ

 ヒミツだよサンタの正体うちのパパ   (浜田)酒井 由美

○先ずはまわりの草をとりなよ

 財閥の一人娘と恋に落ち      (出雲)はなやのおきな

○週末ごとに台風が来て

 ストレスの発散行事でございます    (大田)内田由美子

 飛んできた茶碗ちゃぶ台数知れず    (大田)内田 節子

○父さん今も昭和基地かい

 末っ子の顔つきだけがちがってる    (江津)岡本美津子

 ペンギンの顔認識にとりつかれ     (益田)石田 三章

 平成もだんだん遠くなっていき     (出雲)吾郷 寿海

○しかたがないと飲む二人分

 バリウムは体重に比例するらしい    (松江)山崎まるむ

○はなからずっと聞こえないふり

 クリスマスお歳暮年始お年玉      (松江)岩田 正之

 小遣いの値下げが告げられそうになり  (江津)江藤  清

 オレオレが長生きしろと捨て台詞    (益田)石川アキオ

○かね二つでもすごい声援

 歌詞忘れ舞台狭しと踊り出し      (出雲)石飛 富夫

○本命ならばきっと来るはず 

 懲りもせず同じ台詞を繰り返す     (出雲)栗田  枝

○ロックで行くかドジョウすくいか 

 仕事では出ないアイディアわき起こり  (雲南)錦織 博子

 じいさんは派手な祭りが好きだった   (松江)石塚 修三

○ここに受け取りはんこください

 ももちゃんがタンポポ一輪プレゼント  (出雲)岡  佳子

○彼は私とわかるだろうか

 来世でもまた会おうとは言ったけど   (松江)原田 充子

○大きなマスクで顔を隠して

 これ以上モテることには疲れ果て    (雲南)福場 仁一

 顔写真求めて走るテレビ局       (大田)福田 葉摘

○迷い込んだら出口分からず 

 ニワトリが先か卵が先なのか      (出雲)野村たまえ

 難問は東大生に任せましょう      (松江)河本 幹子

 来年もレッツ連歌にはまります     (米子)板垣スエ子

            ◇

 次回、来年1月の第4木曜日は、

  年は変われど人は変わらず

に五七五の長句を付けてください。「歳歳年年人同じからず」(劉希夷「代悲白頭翁」)を(かなり)換骨奪胎しました。あまり難しく考えないで、軽く付けてみたらどうでしょう。

 1月の第5木曜日には、黒田光さん担当のレッツ連歌スペシャルがあります。こちらは、

  見渡せば花も紅葉もなかりけり 

に七七の短句を付けてください。いわゆる三夕の歌(藤原定家)から。どんな句が寄せられるか、興味津々ですね。もちろん、「浦の苫屋の秋の夕暮れ」はダメですよ。

それでは、来年もレッツ連歌よろしくお願いします。

(島根大教授)

2019年12月26日 無断転載禁止

こども新聞