子ども連れで仕事

 社員の仕事と家庭の両立を支援している鳥取市内の建設会社を取材した。共働きの男性社員が、保育園・小学校帰りの子どもたちを退社時間まで会社にいさせてもらったこともあったという。新型コロナウイルスの影響で各地の学校が臨時休校になり、子どもの面倒を見られない親の支援が課題になる中、興味深い▼今は大人と接することで感染のリスクが高まる心配もある。ただ、子どもが同僚にかわいがられたという建設会社の家庭的な雰囲気を聞き、企業内保育所とまで構えなくても、できる支援はあると思う▼筆者も昔、イベント取材に妻や幼い長女と出掛け、取材の間、会場で待たせてもらったことがある。子どもの面倒を見る人がいない緊急事態ではなく、社外の人と接する仕事柄、「けじめがない」との批判はあるだろう。このイベント主催者が一家参上を歓迎してくれたのはうれしかった▼長女は当時5、6歳で幼すぎたかもしれないが、親の働く姿を見せたいという思いもあった。筆者も大学に入る前にしばらく、父が営んでいた電気工事業を手伝ったことがあるからだ。配管に電線を通す作業など力仕事を体験し、父の苦労を垣間見た▼昔のように、皆が親子代々同じ職に就くわけではない現代、親の働く姿を知らない人は少なくないだろう。それでは何だかさみしいし、子どもに仕事ぶりを見られて、胸を張れる親でいたいと思う。(志)

2020年3月7日 無断転載禁止