新型コロナ対策第2弾/切れ目なく手だて講じよ

 政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急対策の第2弾を決定した。子どもの臨時休校で仕事を休んだ保護者への収入補償や中小・個人事業主を対象にした資金繰り支援が柱。安倍晋三首相は総額で約4300億円の財政措置を講じると表明した。

 政府の専門家会議が肺炎制圧について「1~2週間が瀬戸際」との見解を表明して2週間余り。事態は、感染者が国内外で増え続ける極めて厳しい状況にある。

 国内では、全国的な小中高の休校やイベントの広範囲な自粛・延期、中韓からの入国抑制などが重なり大きな影響が広がっている。安倍首相は対策決定に合わせ大規模なイベントの開催をさらに10日間程度自粛するよう要請した。

 事態の長期化に伴い経済への打撃が深刻化すると予想され、株式・為替市場に動揺が広がっている。政府には国民生活全般の安定へ、今回の対策にとどまらず、柔軟で幅広い手だてを切れ目なく講じてもらいたい。

 政府は2月中旬、品薄となっているマスクの増産強化や新型肺炎ワクチンの開発促進、中小事業者への資金繰り支援などを盛り込んだ総額153億円の緊急対策第1弾をまとめた。今回の第2弾では、小中高の休校をはじめその後の変化に応じた対策を追加した。

 柱の一つは、子どもの世話のため仕事を休む保護者への収入補償だ。厚生労働省は勤め先を通じて日額上限で8330円を助成する仕組みをまとめていたが、個人で仕事を請け負うフリーランスも対策で加えた。日額4100円を助成する。

 今回の対応は、企業や働く親に幅広く安心感を与え得るものと評価したい。フリーランスで働く人は全国で300万人程度いると見込まれ、助成に追加したのは妥当だ。

 一方、資金繰りの支援では、感染拡大の影響により売り上げが急減した個人事業主や中小事業者に日本政策金融公庫などを通じて「実質無利子、無担保の融資を行う」(安倍首相)ことを決めた。そのための特別貸付制度を創設する。

 これと並行して金融庁は、監督する民間金融機関に対して貸出金利の引き下げや返済期限の猶予など取引先への支援強化を要請した。

 感染拡大のタイミングと資金繰りが逼迫(ひっぱく)しやすい年度末が重なったことで、事業者には不安が広がっている。金融庁の要請を待つまでもなく民間金融機関には、取引先の下支えという本来の役割をしっかり果たしてもらいたい。

 資金繰り支援では日銀にも重大な責務がある点を忘れてはならない。過去には阪神大震災や東日本大震災の際に、民間金融機関を通じた低利融資の仕組みを導入したことがある。今回もそれらに準じた資金供給の枠組みを検討すべきだろう。

 自民党はこのほど、観光や飲食・サービス業にとどまらず、産業界に深刻な影響が出ている点を踏まえ「臨機応変に補正予算を検討すべきだ」との提言をまとめた。

 現在、参院で2020年度予算案が審議中のため補正の議論は尚早だろうが、感染の終息が見通せない状況では春以降に景気が一段と悪化する恐れがある。その際の対策と合わせて、追加の予算措置が排除されるべきでない。

2020年3月12日 無断転載禁止