コロナ狂想曲

 「盗まれるので閉鎖します」。東京都内の自宅近くにあるコンビニのトイレにあった張り紙。新型コロナウイルスの影響でトイレ紙が不足するというデマのせいだ。地下鉄車両は換気のため窓が開き、マスクは品薄状態。「見えない敵」との戦いが続く▼「こんなに少ないわけない」。そう思いニュースを見ている。1400万人が暮らす東京都の感染者は約100人。満員電車などあちこちが「クラスター(感染者の集団)」に見え、恐れれば切りがない。「かからない」を心掛けて予防するしかない▼「参っています」。都内にある島根ゆかりの飲食店主はキャンセルの多発を嘆いていた。繁華街は人通りがめっきり減り、ガランとした店が目立つ。世界中で経済、社会、スポーツなど全方位に影響が出ている▼「五輪どうなりますかね?」。取材先でおのずと話題になる。国内での聖火リレー出発は26日。「見物しないで」とは言えないし、それは誰も望まない。1~2年の「延期論」も現実味を帯びてきた気がする▼「経済財政政策を間髪入れずに講じる」。安倍晋三首相は記者会見で語り、減税措置に含みを持たせた。多くの疑惑で揺らいできた政権だが、今はその言葉を信じるしかない。終息が見えず、負の連鎖が続けば、仮に延期しても五輪どころではなくなる。国が主導しなければ立ち向かえない危機だ。各国とも協調し打ち勝つしかない。(築)

2020年3月17日 無断転載禁止