レッツ連歌(要木木純)・3月26日付

○ついにかかったコロナウイルス

流行の最先端を今日も行く          (松江)植田 延裕

なにごとも一番乗りが好きな人        (出雲)岡  佳子

島根県第一号となりにけり          (出雲)放ヒサユキ

じっとして蛙のように冬眠す         (松江)須山 吉雄

この街も都会並みとはなりにけり       (松江)吉川 明信

○豪華客船世界一周

サファイアもダイヤモンドも色あせて     (江津)井原 芳政

お土産は二週間後に届けます         (浜田)勝田  艶

○平和な日本だからできます

AIでひばりの歌がよみがえり        (益田)石川アキオ

パトカーに送ってもらう酔っ払い       (江津)花田 美昭

一カ月前の新聞懐かしく           (松江)山崎まるむ

戦略の文字を使ってご満悦          (浜田)酒井 由美

○妻が無言でコンセントさす

さすがじゃな阿吽の呼吸に惚れ直し      (江津)岡本美津子

○でもなんとなく憎めないのよ

塀越しに今日も干物を狙ってる        (益田)石田 三章

○飼いならされた犬猫のよう

いざというその時のため爪を研ぐ       (出雲)吾郷 寿海

○七十五日をじっと耐えよう

いやとても一週間も待てません        (美郷)福田美智江

つぶやきがあっという間に炎上し       (松江)岩田 正之

○忘れてしまった明日の検診

肝臓は月月火水木金金            (松江)黒田  椋

○イチニイサンで息を合わせて

園児らが顔中口にして歌い          (松江)佐々木滋子

子供らが大縄飛びに挑戦し          (米子)板垣スエ子

○何で増えない預金残高

老後には二千万円準備せよ          (松江)持田 高行

二千万無くてもどっこい生きている      (益田)可部 章二

○もしやと探る菓子折の底

残してた最後の一個食べられた        (大田)福田 菜摘

ショベルカー札束すくうゴミ処理場      (松江)河本 幹子

○ぐっと飲み込め円満のコツ

今年からやめると決めたお節介      (出雲)はなやのおきな

聞こえないフリして皿を洗ってる       (松江)水野貴美子

○湿布貼ったり薬飲んだり

長生きはしたくないなと言ったじゃん     (出雲)片寄ゆかり

裏返す絵馬に書かれた志望校         (雲南)錦織 博子

○デイサービスで今日も脳トレ

あほらしいこんなたしざんやらされて (滋賀・東近江)小嶋 慶子

○思うようにはいかぬ運命

お見合いで見る目がなくて今がある      (雲南)福場 仁一

○育休とってくれた父さん

毎日が同じおかずの昼ご飯          (出雲)石飛 富夫

○見てはならぬと思いながらも

葛藤の挙句の果てにカンニング        (出雲)栗田  枝

じじばばの昔むかしのラブレター       (松江)田中 堂太

美しい女装の人の喉仏           (奥出雲)松田多美子

番台のおやじと話すふりをして        (飯南)塩田美代子

○お茶の消費が急に上昇

ガラガラとうがいする人増えてきて      (松江)大芦マリン

           ◇

(挿絵・麦倉うさぎ)
 新型コロナウイルスのネタが多かったですね。実際に島根県第1号になったりすると、当人と周囲はもちろん、県全体が大騒ぎになるわけですが、どうなるかわからない不安の中では、話題を避けるよりも、不謹慎なようでもこうして連歌の材料にして、気をそらしていく方が、精神衛生上よいかと思います。これも連歌の効用ですね。入選句は、コロナを匂わせつつも、コロナから離れた解釈もでき、次の句が付けやすくなっています。なかなかの手練れですね。

 それでは入選句の中から前句を選んで、短句(七七)を付けてください。この欄が掲載される頃は、コロナ終息のめどは立っているでしょうか。ともかく、次回はコロナネタを離れましょう。

 4月第5週木曜日の30日は、黒田光さん担当のレッツ連歌スペシャル。前句は、

 ごめんなさいを言うタイミング

です。こちらは長句(五七五)を付けてください。

                 (島根大教授)

2020年3月26日 無断転載禁止

こども新聞