世事抄録 令和の春つれづれ

 令和初の冬は暖冬で、そのまま春が来た。寒くないのは老身にはありがたい。しかし、季節の移ろいは人間の感性を豊かにし、四季のサイクルバランスは万物にとって重要なものである。

 例年なら寒風吹きすさぶ窓越しの田園風景も今年は穏やかだった。雑草の中にまぶしく揺れるシラサギの群れを眺めていたら、豪雪の中、春を待ちわびた新潟時代をふと思い出した。

 年末年始は帰省した娘夫婦がインフルエンザウイルスにやられて大いに弱った。乗り切ったと思ったら、新型コロナウイルスが世界を乗っ取った。終息のめどは立たない。特に高齢者は注意というので、改めて手洗い、マスクの仕方を徹底した。

 何かと自粛ムードの中、一斉休校で通学路の見守り活動もなくなった。寂しかったが、日中、コロナ禍に負けず空き地ではしゃぐ声に、癒やされた。

 経済の落ち込みはわが家にも押し寄せ、すずめの涙ほどの持ち株は坂道を転げ落ちている。なるべく雑踏を避け、散歩では延々田園を行く。自宅では読書、音楽鑑賞と優等生の生活を送っている。

 間もなく令和初の「昭和の日」がくる。戦中生まれは、戦後をどう生きてきたのか考える日にしたい。世界がウイルスとの闘いを乗り越え、平和の中、わが家の持ち株も再起することを信じたい。

(浜田市・清造)

2020年4月16日 無断転載禁止