世事抄録 パラダイム・シフトと9月入学

 新型コロナウイルスは、「パラダイム・シフト」をもたらすのではないか、という意見を目にする昨今だ。

 「パラダイム」の意味は模範・典型など、「シフト」は「変える」「移動する」という意味がある。この2語を合わせて「それまでの考え方や価値観が百八十度変わること」だと辞書などは説明する。

 しかし、筆者は、辞書の言う「考え方や価値観」だけでなく、既成の価値観を基本として構築された社会や枠組みの構造自体の変化といった意味合いも感じる。したがって、過去のパラダイム・シフトの例を挙げるとすれば、産業革命や明治維新などのように、大きな社会変革を伴う事象をイメージする。

 そして、コロナの中、最近急浮上したのが、学校の9月入学制の是非を巡る議論だ。これは教育界のみならず、日本の社会構造全体に大きな影響を及ぼす、まさにパラダイム・シフト性の高いものだ。しかし、マスコミやネットでの議論は、いまひとつパラダイム・シフトとしての捉え方が甘く、矮小化した議論になっているようだ。

 今回、コロナによって引きずり出された形だが、この問題は従来からの課題でもあったのだから、この際、コロナを逆手に取って、能動的なパラダイム・シフトの議論として捉え直す必要があるように思う。

 なお筆者は9月入学賛成派である。皆さんはどう思われますかな。

(島根県津和野町・柊)

2020年5月14日 無断転載禁止