家族の絆、今こそ写真に 鳥取の貸衣装店がプラン

鳥取砂丘を舞台に、人気漫画「鬼滅の刃」の登場人物をイメージした和装で並ぶ家族の写真(ブライダルコア伊谷提供)
 新型コロナウイルスが流行する今こそ、家族の絆を見直そうと鳥取市の老舗貸衣装店が、家族写真撮影プランの売り込みを強めた。「3密」とほど遠い大自然の鳥取砂丘を舞台に、家族やカップルで和装での撮影も提案。顧客の結婚式が軒並み延期となり、大打撃を受ける中、ネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)を活用してプランをPRし「ピンチをチャンスに」と踏ん張る。

 店は1912年創業で写真撮影、式場運営も手掛けるブライダルコア伊谷(鳥取市西町3丁目)。コロナ禍で2月以降、結婚式や卒業式が延期・中止となり、貸衣装キャンセルが相次ぎ、4月は売り上げが通常の10分の1に激減。一時は臨時休業に追い込まれた。

 家族写真は以前から古民家などを舞台に和装で撮ってきたが、6月に「自宅で普段着のまま撮ってほしい」と異例の依頼を受け、視野が開けた。撮影を続けるうち「当たり前すぎて気づかなかった、家族との日常の幸せに感動した」と柴田杉子社長(57)は振り返る。

 新型コロナはこの幸せさえ奪いかねず、家族の絆を強く意識。6月半ばに始めたCFのリターン(見返り)に「おうちで家族写真プラン」を加えた。

 力を入れていた砂丘での撮影も前面に出す。シンプルな景色が家族の姿を浮かび上がらせ、普段なじみが薄い和装も相まって非日常が体験できるという。砂丘での家族写真では、人気漫画「鬼滅の刃」の登場人物をイメージした和装も取り入れ、子どもに大受けだった。

 同店は2000年に火災で店舗全焼の苦境に陥った際も、現代風に工夫した和装を発案し、式場運営を始めるなど新事業に挑んで再起した粘り強さがある。ポストカードや各種撮影プランなど幅広いリターンをそろえたCFは7月末まで。10日時点の支援総額は約76万円で、目標額500万円はまだ遠いが、柴田社長は「今だからできること、新しいことをやらないといけない」と闘志を見せる。

2020年7月13日 無断転載禁止