不昧の座像 松江の新たなシンボル【動画あり】

設置された松平治郷の像を見届ける作者の長岡住右衛門空郷さん=松江市殿町、松江歴史館
 大名茶人として名高い松江松平藩7代藩主・松平治郷(はるさと)(号・不昧(ふまい)、1751~1818年)の陶製座像が18日、松江市殿町の松江歴史館内にお目見えした。松江藩の御用窯だった楽山窯の12代当主長岡住右衛門(すみうえもん)空郷さん(65)が制作。茶どころ松江の新たなシンボルになりそうだ。

 座像制作は不昧の没後200年を記念した事業。市や市民有志でつくる松平不昧公像制作委員会が寄付を集め、台座を含め計730万円で制作した。

 座像は高さ80センチ、幅50センチ、奥行き48センチ、重さ30キロで、楽山窯の9代当主空味が1936年に制作した像がモデル。隠居後の髪をそった姿で、扇子を手に柔らかな物腰で正座している。

 同館の展示ホール内に設置され、高さ1メートルの台座には、不昧の印影「弌々斎(いちいちさい)」の透かし彫りが施された。

 18日は長岡さん、制作委員会の古瀬誠会長、松江市の松浦正敬市長らが座像の除幕をして、完成を祝った。松江歴史館の藤岡大拙館長が不昧流大円会のお点前による茶を座像に献じ、松江に茶文化を広めた不昧の功績をたたえた。

 式典で長岡さんは「伝統の窯では書類に製法を残さない。空味が作った像の資料もなかった」と制作の苦労を振り返りながら「改めて座像の技術と製法を楽山窯に再生させる機会となった」と感慨深げだった。

2020年9月19日 無断転載禁止