きらめく星 月は何色?

高さによって色が変わる

 月はどんな色をしていますか。きっと「黄色」と答える人はいることでしょう。確(たし)かに月は黄色く見えることがあります。でも、ほかの色に見えるときもありますよ。

昨年の「中秋の名月」の色の変化。2019年9月13日午後7時ごろ=出(いず)雲(も)市西新町(にししんまち)で撮(さつ)影(えい)
 月が地平線の上に出たばかりのころは赤っぽく見え、少し昇(のぼ)ると黄色っぽく見えます。ある程(てい)度(ど)高く昇ると、そこからは白っぽく見えます。空気の澄(す)み具(ぐ)合(あい)にもよりますが、月は高さによって色を変えます。

 月の表面はほぼ灰(はい)色(いろ)といえる岩石でおおわれているため、そこに太陽の光が反射(はんしゃ)して本来は白く光っています。私(わたし)たちのいる地球の地面の上には空気がおおっていて、月の光はこの空気の層(そう)を通って地上に届(とど)きます。

 月が真上にあるときは、その光は垂(すい)直(ちょく)に空気の層を通ります。それより低い角度のところに月があるときには、光が斜(なな)めに入ってきますので、真上にあるときに比(くら)べ空気の中で長い距(きょ)離(り)を進みます。空気に入る角度によって、光の空気中を進む距離が違(ちが)ってくるのです。

昨年の「中秋の名月」の色の変化。2019年9月13日11時ごろ=出(いず)雲(も)市西新町(にししんまち)で撮(さつ)影(えい)
 光は空気を長く通ると、黄色っぽくなる性質(せいしつ)があります。さらにもっと長く通ると、今度は赤っぽくなります。ですから、月の光に色を付けているのは、地球の空気だといえます。

 地平線近くにある月の光が空気の中を進む距離は、かなりの長さになりますので、月の出のころは赤く見えます。実は朝日や夕日が赤やオレンジに見えるのも同じ理由です。また、これはほかの天体にも起こる現(げん)象(しょう)で、低い星が色づいて見えることもあります。

 10月1日は十(じゅう)五(ご)夜(や)、中秋(ちゅうしゅう)の名月(めいげつ)です。満月のころは夜のはじめに月が昇ってきますので、この数日はお月見と併(あわ)せ、月の色の変化を楽しめる絶好(ぜっこう)の機会です。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2020年9月30日 無断転載禁止

こども新聞