新型コロナウイルス下でメンタルヘルスが悪化した人の割合
新型コロナウイルス下でメンタルヘルスが悪化した人の割合

 新型コロナウイルス感染症が流行する中、家族を介護している人は介護していない人に比べメンタルヘルスの悪化する割合が多く、男性より女性で悪化が目立った―。そんな研究結果を筑波大大学院生の谷口雄大医師、大阪国際がんセンターの田淵貴大医師らのチームがまとめた。

 谷口さんらは流行の第2波が襲った昨年8月から9月にかけ、インターネットを通じ15~79歳の約2万5千人を対象に介護の状況やメンタルヘルスの状態を尋ねるアンケートを実施。全体の1割に当たる2500人が家族を介護しており、1日に2、3時間以上介護する「長時間介護者」はそのうち53%を占めた。

 回答を分析すると、家族を介護している人は介護をしていない人に比べ「孤独感の悪化」「自己評価による精神状態の悪化」「『死にたい』と思う気持ちの出現」を経験する割合が多かった。

 こうしたメンタルヘルスの悪化の度合いは、男性よりも女性で目立っており、必要なときにだけ介護する「短時間介護者」よりも長時間介護者で目立っていた。

 悪化の理由についてチームは「介護している家族の健康に不安を感じたり公的介護サービスが利用しにくくなったりしたため精神的負担が重くなった可能性が考えられる」としている。谷口さんは「パンデミックなどの災害下では家族を介護する人の負担を和らげる支援が必要だ」と話す。