鳥取県内でスーパー閉店の動きが相次ぎ、買い物環境をいかに守るかが地域課題となる中、3月まで県広報課長だった入江左和代さん(51)=鳥取市富安2丁目=が、県職員を早期退職し移動販売事業を始める。「困っている人を直接支援したい」と一念発起。県東部の山間部などで、6月から商品を積み込んだ軽トラックを走らせる。
入江さんが移動販売を思いついた背景には鳥取市周辺部で暮らしていた父(故人)への思いがある。80代で、家族から説得され、自動車の運転免許を返納。好きだった買い物を含め、自由に外出ができなくなったのを見ていた。
県庁には33年勤務。20代の頃の観光課時代、県外で県の特産品を紹介し、買ってもらう喜びを味わった経験から販売業への興味もあり、体力があるうちにと、定年退職を待たずに事業を始めることを決めた。
6月5日から、鳥取市や鳥取県智頭町の山間部を中心に軽トラックを改造した販売車を走らせる予定。全国で移動販売事業を展開する「とくし丸」(徳島市)と提携する、天満屋ハピーズ郡家店(鳥取県八頭町奥谷)の食料品、日用品を400品目計1200点を積み、希望があった利用者の自宅を回る。
販売予定エリアでは4月から毎日70~80軒、事業内容を知らせるチラシを配って回っている。
「買い物をどうしようかと思っていた。来てくれてありがたい」と切実な声をじかに聞き、役割の大きさを再認識。「買う量が少なくても遠慮せず、1人暮らしの人こそ利用してほしい」と呼びかける。
利用申し込みは天満屋ストア、電話086(231)2611。 (岸本久瑠人)













