島根県警察本部
島根県警察本部

 大田市内の農場の従業員が乳牛を蹴るなど暴行を加える動画が交流サイト(SNS)上で拡散した問題で、大田署は3日、動物愛護法違反の疑いで大田原農場(大田市水上町)と元男性社員(26)を書類送検した。元男性社員は「牛がけがをするかもしれないと分かっていた」と容疑を認めている。

 書類送検容疑は6月3日午後、大田原農場で男性社員が乳牛2頭に対し、顔や首を蹴ったり殴ったりした上、目を指でえぐるなどした疑い。

 男性は外国籍。様子を記録した動画を撮影、SNSに投稿し、批判が殺到した。大田署はSNSで虐待動画が上がっているとの通報を受け捜査していた。

 同署によると男性は、撮影したのは牛に蹴られて腹が立ち「後で見返してイライラを解消したかった」と供述。SNSでの投稿については「何も考えてなかった」と話しているという。捜査の結果、組織や他の従業員を含めて余罪はなかった。

 会社は男性を6月29日付で懲戒解雇した。業務中の出来事で会社責任者は指導不足、監督不行き届きだったと認めている。灘尾哲明社長は取材に対し「深くおわびする。許しがたい行為で、従業員の再教育を徹底し、巡回を増やすなど対策する」と話した。

 大田原農場は乳牛を中心に約1300頭を飼育し、全国的にも大規模な農場として知られる。
      (曽田元気)