JR松江駅(松江市朝日町)前で営業していた一畑百貨店が閉店し、14日で丸1年となった。県都の玄関口にある店舗跡地の利用策は固まらず、空き家状態が続いており、建物と土地を所有する一畑電気鉄道(同市中原町)が、不動産開発事業者3社との間で売却を軸にした交渉を急いでいる。
一畑電鉄は閉店後、建物(地上6階地下1階、延べ約1万4千平方メートル)と土地について小売りやホテル、マンション業者などを含む複数事業者と交渉してきた。
同社幹部によると、交渉先は現在、不動産開発事業者3社に絞り込まれている。3社のうち2社は建物を解体した後、下層階に商業施設、上層階にホテルやマンションが入る複合施設や、別棟を建ててマンションを入れる案を検討する。残る1社は既存建物を残して活用する案を含めて検討しているという。
一畑跡地の利用策を巡っては、JR松江駅前の再開発について話し合う官民の検討組織「松江駅前デザイン会議」(会長・田部長右衛門松江商工会議所会頭)が、将来的に建屋を撤去し、民間事業者が宿泊や飲食機能を持った複合施設を整備する構想を提示した。
田部会長も松江商議所会頭の立場として交渉に加わるとしており、一畑電鉄は同商議所や松江市の意向も踏まえて開発事業者らと協議しているとみられる。
田部会長は「...