大会の開会を記念して営まれる法要=松江市殿町、島根県民会館
大会の開会を記念して営まれる法要=松江市殿町、島根県民会館

 仏教の「和」の教えを基に世界平和への願いを発信する全日本仏教徒会議が2日、松江市殿町の島根県民会館であった。島根では初開催で、県内から集まった僧侶たちが法要を厳かに営み、平安を祈った。

 1953年から全国各地で開かれ、45回目の今大会は全日本仏教会と島根県仏教会が主催。昨年秋に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大のため延期し、オンライン配信として規模を縮小した。会場には約200人が集い、オンライン配信は約300人が視聴した。

 大会では、開会記念と世界の平安を祈る法要を執り行ったほか、県内各地の寺院の呼び掛けで集まった写経や、前回開催地の福島県から贈られた桜の苗木を奉納した。

 講演した相愛大(大阪市)副学長で如来寺住職の釈徹宗さん(60)は、新型コロナ禍での宗教の役割に触れ「自分のことを考えるのは他者のことを考えること。暮らしを見つめ直す契機にあるので、仏法を通じての橋渡しを工夫していきましょう」と説いた。

 次回開催地の山梨県仏教会に大会旗を引き継いだ島根県仏教会の清水谷善圭会長(74)は「状況が刻々と変化する中で、宗派・地域を超えて協力でき成功につながった」と喜んだ。 (藤本ちあき)