世界農業遺産の国内候補地、島根県奥出雲町竹崎の追谷地区で棚田がライトアップされた。夕闇の深まりとともにあぜに設置された約1万本の発光ダイオード(LED)灯籠が棚田を照らした。30日まで毎夜行う。
棚田は、日本古来の製鉄法「たたら製鉄」の原料となる砂鉄を得る鉄穴(かんな)流しで尾根を削った跡地に整備された。
太陽が沈み濃紺の空が広がると、LED灯籠がつき始めた。小さな明かりは稲刈りが終わった田をくっきりと浮かび上がらせ、山の稜線(りょうせん)にたなびく雲が、幻想的な情景をつくり出した。
ライトアップは地元住民でつくる実行委員会が企画。点灯は日没から午後9時ごろまで。
(狩野樹理)