稲穂が黄金色に染まった大原新田=島根県奥出雲町大馬木(小型無人機で撮影)
稲穂が黄金色に染まった大原新田=島根県奥出雲町大馬木(小型無人機で撮影)

 【奥出雲】世界農業遺産の国内候補地に決まった島根県奥出雲町内で、鉄穴(かんな)流しに由来する棚田が色づいた。9月中の稲刈りを前に、黄金色の「じゅうたん」が町内各地に広がる。

 奥出雲町の棚田の多くは、たたら製鉄の原料となる砂鉄を得るための鉄穴流しで尾根を削った跡地に整備された。

 このうち、大原新田(大馬木)は、江戸時代、松江藩の鉄師を務めた絲原家が開発した。日本棚田100選と、国の重要文化的景観に選定されている。

 現在、4・9ヘクタールでコシヒカリなどを栽培。山を削った緩やかな斜面に、整然とした長方形の水田38枚が並ぶ。秋晴れの柔らかな光に包まれた稲穂はこうべを垂れ、間近に控えた収穫を待つ。

 町農業遺産推進協議会では9月中に、英語版の世界農業遺産認定申請書をとりまとめ、10月上旬をめどに遺産を審査する国連食糧農業機関に提出する予定。 (狩野樹理)