くらしと経済(ヨコ)
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そごう・西武の「チューズベース シブヤ」でスマホを使って買い物をするイメージ=9月、東京・渋谷の西武渋谷店
そごう・西武の「チューズベース シブヤ」でスマホを使って買い物をするイメージ=9月、東京・渋谷の西武渋谷店
松屋独自の宝飾品ブランド「エネイ」の商品
松屋独自の宝飾品ブランド「エネイ」の商品
そごう・西武の新しい売り場「チューズベース シブヤ」=9月、東京・渋谷の西武渋谷店
そごう・西武の新しい売り場「チューズベース シブヤ」=9月、東京・渋谷の西武渋谷店
三越伊勢丹の買い取り・引き取り常設相談窓口のイメージ=10月、東京・新宿の伊勢丹新宿店
三越伊勢丹の買い取り・引き取り常設相談窓口のイメージ=10月、東京・新宿の伊勢丹新宿店
くらしと経済(ヨコ)
そごう・西武の「チューズベース シブヤ」でスマホを使って買い物をするイメージ=9月、東京・渋谷の西武渋谷店
松屋独自の宝飾品ブランド「エネイ」の商品
そごう・西武の新しい売り場「チューズベース シブヤ」=9月、東京・渋谷の西武渋谷店
三越伊勢丹の買い取り・引き取り常設相談窓口のイメージ=10月、東京・新宿の伊勢丹新宿店

 新型コロナウイルス禍に伴う休業などの影響で苦境に立つ百貨店各社は、ビジネスモデル改革に力を入れている。30代中心のミレニアル世代やさらに若いZ世代の取り込みに向け、環境に配慮したブランドやサービス、デジタルと融合した店舗を展開している。

 松屋は2021年8月、独自の宝飾品ブランド「エネイ」を立ち上げた。専用のオンラインストアをオープンし、松屋銀座にも売り場を設けた。

 人工的に生成したダイヤモンドを使用。鉱山掘削などが不要なことから環境負荷が少なくエシカル(倫理的)商品として売り出す。価格は天然ダイヤより安価という。

 コロナ禍での休業や時短営業で経営環境は厳しい。担当者は「普段はあまり百貨店を利用しない若年層を新たに取り込みたい」と語る。訪日客の来店が見込めない中、海外向けの通信販売に向けた整備も急ぐ。

 そごう・西武は9月、実店舗とデジタルを融合させた売り場「チューズベース シブヤ」を西武渋谷店に開設した。店頭には衣料品や化粧品など通信販売専用の約50社の商品を陳列。来店客はスマートフォン上のカタログと見比べながら、注文から決済まで全てスマホで完結できる。購入商品は持ち帰るか、配達してもらうかが選択可能だ。

 東京都世田谷区から訪れた女性は「美術館みたい。商品の背景を知ることができた。また来たい」と話した。

 三越伊勢丹は10月、買い取り・引き取りサービスを本格スタートさせた。同社によると、百貨店が直営店で行うのは初という。持続可能な循環型社会に対する意識の高まりに応えつつ、買い替えなど新たな購買にもつなげたい考えだ。

 伊勢丹新宿店に常設の相談窓口「アイム グリーン」を設置。衣料品やかばん、宝飾品などをその場で査定し、買い取る。値段がつかない衣料品はリサイクルを提案し、無料で引き取るという。顧客は郵送手続きも選べる。

 20年10月、日本橋三越本店で先行開業。約1年で2千件の利用があり、新たな商品の購入もみられた。担当者は「商品の販売後も、顧客をサポートできる仕組みとして提供したい」と説明した。

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 全国百貨店売上高 日本百貨店協会によると20年は、前年比26・7%減(全店ベース)。1975年以来、45年ぶりの低水準だった。