年賀状じまい用のシールが貼られた年賀状
年賀状じまい用のシールが貼られた年賀状

 スマートフォンや交流サイト(SNS)の普及で、年賀はがきの当初発行枚数が2026年用で前年比30・1%減少の7億5千万枚となり、「年賀状じまい」が山陰両県でも加速している。毎年欠かさず出す人の中には、一部の人とだけやりとりを続けたいとの思いもある。年賀状が元日に届く25日まで残りわずか。山陰両県の文具店では、多様なニーズに対応する商品を用意している。

 24年秋にはがき1枚が63円から22円値上がりして85円になった影響もあり、年賀状じまいに拍車がかかったとみられる。松江市内の80代女性は、24年から30枚程度減らしたといい「年賀状だけのつながりの人もいるので、完全に出さないわけにはいかない」と話す。

 松江市学園2丁目の今井書店学園通り店は、客からの要望を受け、「本年をもちまして年賀状でのご挨拶(あいさつ)を控えることといたしました」と書かれたシールセットを今年初めて入荷した。1セットにシールが10枚前後入っており、価格は253円などとなっている。

年賀状に並べて販売される年賀状じまい用のシール(右)=松江市学園2丁目、今井書店学園通り店

 完全に年賀状じまいする人、一部の人とする人の両方のニーズに応えられるとあって、すでに半分売れたという。発注担当の青砥理紗さんは「50代以上の人が買っている印象だ。来年も使えるデザインで、在庫の負担も少ない」と話す。

 特設コーナーを設ける米子市内の生活雑貨店の担当者は、シールは昨年の2~3種類から20種類になったとし、「スタンプやはがきなど、関連商品も2倍以上増えた」という。

 一般社団法人手紙文化振興協会のむらかみかずこ代表理事=埼玉県在住=は、年賀状じまいをする際、LINE(ライン)やSNSのアカウントにアクセスできるQRコードを貼るなど「今後の連絡手段を知らせるといい」と助言する。スマートフォンが普及し、いつでもつながることができる現代では「自分らしく人と関わる方法を考える時代になっている」と話した。

(森みずき)