衆院議長に選出された細田博之氏(77)=島根1区=が10日、国会内で就任記者会見に臨んだ。「少数政党の意見も尊重しながら建設的な議論を進める」と抱負を述べ、憲法のほか、「鳥取・島根」「徳島・高知」の4県に導入された参院選の合区解消などを巡り記者団の質問に応じた。 (白築昂)
ー議長就任の所感は。
「衆院選の1票の格差問題は、是正を図ることが国民の代表である衆院として必要なことだ。議長として各党に協議を呼び掛け、より適切な案を得て成立させていくべきである」
ー衆院選の結果、憲法改正に前向きな勢力が国会発議に必要な総定数の3分の2を超えた。今後どのような議論を期待するのか。
「賛成、反対で各党の意見はいろいろある。世論に即応した議論を国会でも反映させていくということが適当だと思っているが、これ以上申し上げると各党の政策に介入することになるので控えたい。国民を代表する衆院でできるだけ率直な意見交換をし、議論が前向きに進むことが必要だ」
ー選挙区の島根では、参院の「合区」の問題がある。解消に向けた国会議論は停滞している。
「私はそういう問題(選挙制度)の専門家であるし、県民として当然思いはあるが、衆院議長として言うべきことではない。参院の問題は今、参院が考えている」
ー安倍、菅政権では公文書の改ざんや野党の会期延長要求に与党が応じないなど「国会軽視」と指摘されるケースがあった。国会審議の充実をどう図るのか。
「与野党本来の議論の在り方について、議院運営委員会や、その他の委員会で項目別に議論を深めてもらいたい。本会議、党首討論を含め活発な議論を期待したい。それ以上の個別のことは、私から申し上げる立場ではない」