販売イベントの会場で、買い付けた古着を並べる重森空河さん=松江市天神町、BIOTOUP
販売イベントの会場で、買い付けた古着を並べる重森空河さん=松江市天神町、BIOTOUP

 ファッション好きの松江市の高校生が、古着やオリジナルのシャツを販売するイベントを自ら企画し、開催にこぎつけた。通販サイトも立ち上げ、「将来はアパレルで起業して身を立てたい」という夢の実現に向けステップを駆け上がる。 (奥原祥平)

 開星高校3年の重森空河(くうが)さん(18)=松江市上乃木2丁目。広島市出身で野球の特待生として入学し、白球を追い掛けた。

 将来は起業したいと漠然と考えていたところ、昨年開かれた学校の講演会で松江市の地域活動グループ「どっこい舎」のメンバーが活動の思いを熱く語るのを聞き、感銘を受けた。

 思い切って声を掛け、将来について相談。もともとファッションに興味があり、身にまとうことで人々の気分を高揚させ、人生を豊かにできる洋服で勝負しようと決め、旗揚げイベントを計画した。

 部活引退後、家業の防水塗装を手伝い、準備金をためた。どっこい舎のメンバーが岡山県内での古着の買い付けに同行し、自作デザインのロゴマークをプリントしたロングTシャツの製作も協力してもらった。

 販売イベントは1月22、23の両日、松江市天神町の複合ビル・BIOTOUP(ビオトウプ)内で開催。計約200人が来場し、想定以上を売り上げた。

 初めてだった接客も会話が弾み「いい服が買えた」「催しで友達ができた」などとお礼のメールも届いた。手応えをつかみ、ネット通販のサイトを立ち上げた。

 今春、広島県内の大学に進学する。将来は海外にも事業を広げたいと夢を描く。「人々の心を豊かにするビジネスをしていくために、感謝や謙虚さの気持ちを持って頑張りたい」と誓った。