短歌 西 基宜選

手みやげを仏に供え手を合わすなれぬ手つきの新社会人      浜 田 米谷 昌子

 【評】就職一年生のお孫さんだろう。休みを機に久しぶりの帰宅。家族の歓待を受け、まずは仏前に手みやげを供えて礼拝。家の慣わしを忘れない。改まって合掌している姿はややぎこちないが、これで立派な社会人。

神の手と弟子に言わるる生け花に研鑽重ねし七十余年       江 津 餅田美代子

 【評】弟子とあるからにはれっきとした生け花の師範。自然の草花を相手に、美の世界を創造する腕は抜群で、皆から神の手と崇(あが)...