ノルディックスキー・ジャンプ混合団体で銅メダルを獲得し、伊藤有希選手(左)に祝福され涙を流す高梨沙羅選手=10日、プレダッツォ(共同)
ノルディックスキー・ジャンプ混合団体で銅メダルを獲得し、伊藤有希選手(左)に祝福され涙を流す高梨沙羅選手=10日、プレダッツォ(共同)

 冬季五輪の名場面で真っ先に頭に浮かぶのは1998年長野五輪ノルディックスキー・ジャンプ団体での日本の金メダル。94年リレハンメル大会で最後に失敗し、銀メダルに終わった原田雅彦選手が雪辱を期し、頂点に立った興奮を今も思い出す。

 その姿が重なったのが、10日にミラノ・コルティナ五輪のジャンプ混合団体で銅メダルを獲得した高梨沙羅選手だ。前回北京大会でスーツの規定違反で失格となった影響でメダルを逃し、引退を考えるほど責任を一身に背負い込んだ。もがき、苦しみ、再び五輪に戻った4年間は想像を絶する。

 2人は第一人者でありながら、仲間に支えられ、自然と応援したくなるような人柄も似ている。今回、チームメートは「沙羅さんは楽しく飛んでください。その分、僕がやってやります」と声をかけたという。長野五輪の1回目も失敗した原田選手も2回目に向かう前に同じように仲間に励まされ、大ジャンプで応えた。

 高梨選手は、前回大会でともに戦い、今回メンバーを外れた伊藤有希選手と抱擁した時に思いがあふれた。「頑張ったね」と優しく言葉をかける伊藤選手の姿も忘れられない。

 そしてもう一人の「さら」選手がメダルに挑む。スノーボード女子ハーフパイプの清水さら選手。父親が出雲市出身の16歳だ。決勝は日本時間の13日未明。このコラムが届く頃には結果が出ているだろうか。吉報を待ちたい。(吏)