「ヒマン」と読める駐車場入り口の表示
「ヒマン」と読める駐車場入り口の表示

 通勤路脇に置かれているごみ収集ボックスに「燃えろごみ」とあった。「る」の一部が消えて、そう見えた。今はさらに字が消えている。とある駐車場入り口の地面には「ヒマン」という表示。健康への注意を促しているのかと思いきや、これも「止マレ」の文字の一部が消えていたためだった。

 破損や劣化によって看板などの文字が欠けるのとは異なるが、世の中は略語があふれている。電卓は「電子式卓上計算機」、食パンは「主食用パン」などと正式名称があるものの、使わない。ただ、「本名」を聞けば構造や役割などが分かり、なるほどと思う。

 流行語も略語が多く、タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)など新しい言葉が次々に生まれる。交流サイト(SNS)の影響でどんどん省略化も進み、「了解」は「りょ」→「り」になった。若者の間で生まれた言葉が話題になり、「この使い方が『ナウい』のか」と昭和世代の当方は感心しきりだ。

 「事故る」「愚痴る」「ミスる」など「名詞+る」で動詞として表現する方法も短縮形。だが、現代になって突然出てきた用法ではなく、江戸時代には、お茶漬けを食べるという意味の「茶漬(ちゃづ)る」という言葉があったそうだ。

 言葉は奥深く、会話に潤いももたらしてくれる。きょうはバレンタインデー。略称があるか「ググって」みると、「V-Day」などとあった。やはり、日本語の方が面白い。(彦)