任期満了に伴う鳥取市長選と倉吉市長選が20日告示される。鳥取は3選を目指す現職に新人が挑む構図。倉吉は新人2人が出馬表明しており、市議会議員再選挙(欠員1)も同時に実施され「ダブル選」となる見通しだ。いずれも投開票は27日。 (岸本久瑠人、福間崇広)

▽鳥取
 鳥取市長選は3選を目指す現職の深沢義彦氏(69)=2期=と、共産党鳥取県委員会書記長で新人の塚田成幸氏(58)がともに無所属での立候補を予定する。目立った争点はなく、前回選と同じ構図となる見通しで、選挙ムードは低調だ。

 深沢氏は新型コロナウイルス対応の経験を生かし、経済対策やワクチン接種といった事業に切れ目なく取り組む必要があると判断し出馬を決めた。新築移転した市役所本庁舎の開庁や国の方針に先駆けて行った市立小中、義務教育学校のエアコン整備など2期目の実績をアピールする。

 自民、公明両党の推薦を受け、共産党など一部を除くほぼ全ての市議が支援に回り、組織戦を展開する。

 塚田氏は前回選同様、共産党や社民党県連幹部などでつくる市民団体「住民の声で鳥取市政をつくる会」が擁立。6日に事務所開きし立候補を表明した。本庁舎窓口や総合支所の職員を増やし、住民の意見を反映する市政の実現を主張。コロナ対策としては市保健所の体制強化を掲げる。

 推薦する共産党が中心となり支持拡大に奔走。会員制交流サイト(SNS)を活用して訴えの浸透を図る。

 1日現在の選挙人名簿登録者数は15万4503人(男7万3634人、女8万869人)。

▽倉吉
 倉吉市長選は元鳥取県職の広田一恭氏(63)、元県議の村田実氏(84)の両無所属新人が立候補を予定する。新人同士の争いは今期限りで引退する石田耕太郎市長(72)が初当選した2010年3月以来、12年ぶりとなる。

 広田氏は長年の行政経験をアピールし、新型コロナウイルス禍で沈んだ地域経済の立て直しや観光振興などを訴える。自民、立憲民主、公明の与野党3党が相乗りで推薦。石田氏や地元県議らが支援して、支持基盤を固める。

 村田氏は市議2期、県議7期を務めた。県との連携強化による定住対策や少子高齢化対策の充実などを訴える。県立美術館と白壁土蔵群を結ぶ屋形船運航の実現も掲げる。積極的に街頭に立ち、自らの公約をアピールする考えだ。

 市議会議員再選挙(欠員1)も無所属新人2人の一騎打ちとなる見通しだ。

 1日現在の選挙人名簿登録者数は3万8435人(男1万7896人、女2万539人)。