松江藩の家老を務めた乙部(おとべ)家が、幕末から明治期にかけて大規模な中国絵画のコレクションを築いていたことが、松江市松江城・史料調査課などの調査で明らかになった。作品群には流出後、皇室に献上されたり国宝、重要文化財に指定されたりした逸品が数多く含まれる。現在、誰も全体を目にしたことがない「幻の乙部家コレクション」の一部と最新の研究成果を12日との2回にわたり紹介する。

 松江藩代々家老六家の一つであった乙部家には、幕...