黒い模造紙に手形を付けて花火を描く参加者(右)を見守る山野内聡香さん(中央)=松江市学園南2丁目、松江土建
黒い模造紙に手形を付けて花火を描く参加者(右)を見守る山野内聡香さん(中央)=松江市学園南2丁目、松江土建

 「3K」(きつい、汚い、危険)というマイナスイメージがある建設現場をアートで盛り上げる活動を、松江市の女子高校生3人が始めた。建設会社の協力も得て模造紙に手形を付けて花火を描く親子参加のワークショップをこのほど初めて企画。子どもたちはアート制作を楽しみ、建設会社側は現場を明るくする取り組みを喜んだ。

 3人はいずれも松江北高校1年生の山野内聡香さん(15)、牧野桃子さん(15)、伊藤愛理さん(16)。

 山野内さんが自宅マンションで行われた塗装工事の際、住人らから騒音などへの不安を聞いたのを機に、地域課題の解決に挑む高校生を支援する「しまね未来共創チャレンジ」を活用。手作りのチラシを知人らに配り、ワークショップの参加者を募った。

 7組23人の親子が参加し、総合建設業の松江土建(松江市学園南2丁目)で、アート制作に挑戦。縦約3メートル、横約4メートルの黒い模造紙を広げ、赤、青、黄色などの絵の具を塗った手で夏の夜空に彩る花火を描いた。社員やボランティアの高校生が補助した。

 市内の保育園児、桜井創史ちゃん(5)は「みんなできれいにできて楽しかった」とほほ笑んだ。松江土建経営企画室の中島真奈美課長補佐(40)は「現場を明るくしてもらい、大変ありがたい」と話した。

 完成した模造紙の花火は9月以降、建設現場の仮囲いに飾られる予定。山野内さんは「この活動をきっかけに建設現場に対するイメージを変えていきたい」と次の企画へ意欲を見せた。

(清山遼太)