【浜田】浜田市三隅町出身の日本画家・石本正さん(1920~2015年)の作品展「石本正 祈りのかたち展-浜田の財(たから)とともに」が、浜田市三隅町古市場の石正美術館で開かれている。平和や繁栄への祈りが込められた35点を来館者がじっくり鑑賞している。
石本さんは44歳から69歳までの26年間、欧州に何度も訪れ、教会の彫刻や壁画といった宗教美術の影響を受けた作品を多数描いた。
作品展では現地のスケッチや着想を得た作品25点で旅の足跡をたどるとともに、石本さん自身の祈りの心が強く表れた作品10点を展示する。
「祈り」は90歳の時に故郷の平和を願って描いた3部作。幼少期の思い出の地、益田市の蟠竜湖に住む人魚が穏やかな表情で合掌している姿を描いた。欧州美術や仏教など石本さんが影響を受けた世界観を垣間見ることができる。
石本さんの作品展示と合わせ、浜田市指定文化財で天上岡八幡宮(浜田市日脚町)の獅子頭など普段は一般公開されない地元の寺社などの収蔵品4点も特別に展示している。11月23日まで。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日)。(中村成美)