扱うテーマは介護、みとり、終活…。小学館が昨年10月に立ち上げたシニア向け漫画単行本の新レーベル「ビッグコミックスフロントライン」が徐々にラインアップを増やしている。担当者でビッグ企画室の加藤辰巳編集長は「レーベルを作ることで、老いをテーマにした作品を刊行しやすくし、読者のニーズに応えたかった」と話す。
これまでに刊行したのは山本おさむさん著、宮部喜光さん原作の「父を焼く」、齋藤なずなさん著の「ぼっち死の館」、山本さん著の「もものこと」の3作。
新レーベル誕生の背景にあるのは日本の漫画文化の成熟だ。子どもの読み物だった漫画を大人の鑑賞に堪える形に押し上げることに貢献した青年誌「ビッグコミック」が今年で創刊55年。こうした青年誌を購読してきた、団塊の世代を中心とした層が今やシニア世代となり、出版社が改めて照準を合わせた格好だ。
「父を焼く」は、...