著書「最後のレッスン」を手にする若佐久美子さん=松江市黒田町、若佐久美子バレエスクール
著書「最後のレッスン」を手にする若佐久美子さん=松江市黒田町、若佐久美子バレエスクール

 松江市内で30年以上にわたりバレエを教える若佐久美子さん(53)が、指導指南書「最後のレッスン」を自費出版した。15年以上、卵巣がんの治療と再発を繰り返す中で出版を企画。「元気なうちに自分の経験を多くの人に伝えたい」との言葉に、山陰のバレエ文化を引っ張ってきた自負がにじむ。(大迫由佳理)

 若佐さんは6歳でバレエを始めた。1988年、京都バレエ専門学校を卒業後、「地元でバレエを教えたい」と帰郷。89年に「若佐久美子バレエスクール」を開設し、現在も後進の育成を続けている。

 卵巣にがんが見つかったのは2005年夏。その後も手術と再発を繰り返した。治療に専念する期間、生徒の指導は卒業生らに託したが、たまに教室をのぞくと指導の内容に不満が募った。「このままでは離れられない」。治療と指導の両立ができないものか、悩む日々が続いた。

 20年5月末、6度目になる開腹出術を受け、抗がん剤治療に入った。「自分に残された時間」を意識し、これまで培った指導のノウハウを本に残すことにした。

 著書では、自らのバレエとの歩みや思い、闘病生活をつづる〝自分史〟を交えながら、生徒への接し方や体の動かし方など、現場ですぐに活用できるノウハウを細かく解説。5年前からスクールに取り入れ、業界でも注目を集める身体教育法「フェルデンクライス・メソッド」も紹介している。

 若佐さんは「バレエに限らず、スポーツの指導や子育てで悩んだときにも手にしてほしい」と話している。

 220ページ、ハーベスト出版・1980円。。注文は若佐さん、ファクス0852(67)2267。氏名、郵便番号、住所、購入冊数を記入する。山陰両県の主要書店でも取り扱っている。