県内屈指の進学校・松江北高校(松江市奥谷町)が来春入試で、独自の推薦枠を設ける方針を固めた。英語の小論文を読み解く試験と、世界で活躍する将来展望を書いた志望理由書を重視する内容。定員は最大5人程度とし、理念に掲げる「世界の人たれ」を実践する人材を育てる。 (曽田元気)

 推薦枠は普通科(定員240人)に設け、中学卒業段階で英検準2級程度の学力を備えた生徒の受験を見込む。

 試験内容は今後詰めるが小論文試験のほか、国連で働くことなど、世界を視野に活躍する自らの展望を記した志望書を事前提出してもらい、面接を実施する計画という。

 取り組みの背景には、松江市内の県立普通科3校の通学区が撤廃されて初となる2021年度入試で、理数科(定員40人)の競争率が県内全体で2番目に高い1・38倍となったのに対し、普通科がかつてない低競争率(0・83倍)を記録したことがある。

 同校は理念を象徴する推薦入試を導入することで、高校の魅力化につなげる考え。常松徹校長は「目的意識を持った生徒による周囲への波及効果にも期待している。世界規模で物事を考えるビジョンを示してほしい」と話した。