私自身の老いの故もあるのだろうが、このところ友人、知人、さらに仕事上の畏友などの死にしばしば出合う。電話で、メールで、時にはご遺族からの書簡で知らされる。この1年半近く、通夜、葬儀に出たことはない。新型コロナウイルスのせいもあるのだが、密の状態を避けるために葬儀一切はわずかの身内で行うことが定着した。

 死者との別れの儀式は、現代社会から見事に消えていったと...