活発な梅雨前線の影響で10日は九州を中心に猛烈な雨が降った。気象庁は鹿児島、宮崎、熊本3県の一部地域に今年全国で初めてとなる大雨特別警報を発表し、土砂災害の発生に最大級の警戒を呼び掛けた。鹿児島県薩摩地方では積乱雲が連続発生することで同じ場所に雨が降り続ける「線状降水帯」が形成され、同庁は「顕著な大雨情報」を発表して速報した。
九州を含む西日本から東日本を中心に11日にかけて局地的豪雨の恐れがあり、気象庁は引き続き土砂災害に厳重な警戒を呼び掛けている。
3県では一部に土砂災害警戒情報が発表され、一時は計約24万5千人を対象に最も危険度が高い場合の避難情報「緊急安全確保」が発令された。人的被害は出ていないが、一部で住宅浸水などの被害があった。
気象庁によると、鹿児島県さつま町の観測点では同地点で観測史上最多の1時間に96・5ミリ、宮崎県えびの市でも83・5ミリの猛烈な雨が降った。熊本県水俣市では44・5ミリの雨が降った。
梅雨前線が対馬海峡付近から日本の東へ延び、ほとんど停滞。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、また日本の上空約6千メートルには氷点下6度以下の寒気がそれぞれ流れ込んでいるため、大気の状態が非常に不安定になっている。
11日午後6時までの24時間予想雨量はいずれも多い場所で九州北部、関東甲信100ミリ、九州南部、中国、近畿、東海、北陸80ミリ、東北60ミリ。その後の24時間は中国、近畿、東海、北陸、関東甲信、東北50~100ミリ、九州は約50ミリ。
3県への特別警報は10日午前5時半以降、順次発表され、午後2時32分までに警報に切り替えられた。












