強い日差しの中で砂丘を散策する観光客=22日午後、鳥取市福部町湯山、鳥取砂丘
強い日差しの中で砂丘を散策する観光客=22日午後、鳥取市福部町湯山、鳥取砂丘

 山陰両県は22日、高気圧に覆われて気温が上昇し、鳥取で山陰両県の観測史上最高となる39・4度を記録し、この日の最高気温は全国1位だった。これまで山陰両県の観測史上最高は2017年8月6日に益田で観測された39・3度だった。

 晴れて強い日差しが照り付けた上、中国山地を暖かな風が吹き下りるフェーン現象が発生し、気温が上がる条件が重なった。山陰両県の29観測地点のうち、23地点で35度以上の猛暑日となった。

 奈良市から友人と鳥取砂丘を訪れた奈良教育大4年の福西隆生さん(22)は「体を刺すような日差しだった。風も熱く、ドライヤーを浴びているようだった」と話した。

 気象庁によると、各地の最高気温は益田38・6度▽米子38・5度▽松江38・2度▽川本(島根県川本町)37・6度-などだった。

 JRでは午後2時ごろ、鳥取県湯梨浜町中興寺の山陰線松崎駅構内で、レール温度が上がり約3時間、浜村-倉吉駅間で速度を落として運行した。特急4本が運休、特急1本を含む9本が最大40分遅れ、約600人に影響した。

 両県では熱中症警戒アラートが発表され、両県の各消防によると、30~80代の計7人が熱中症の疑いで搬送された。管内別は島根が安来、雲南、浜田各1人で、鳥取は東部、西部各2人。いずれも軽症か中等症とみられ、屋外で作業中に異常を訴えるケースが目立った。両県は23日も同アラートが発表されている。(松本ひろ、小林竜大)