米子市大篠津町の会社員、加藤敏夫さん(78)がこのほど、小説「海の色」を自費出版した。境港市内の男性飲食店主をモデルに、自分探しをする青年が多くの人との出会いから「自分の道」を見つける物語。加藤さんは「人との出会いは大きな財産になることを感じてもらえればうれしい」と話した。
加藤さんは腎不全による人工透析を受けながら仕事に励み、2017年から自分史やエッセー、闘病記、詩集などの作品を発表している。
モデルの男性飲食店主は熊本県出身で、料亭を営む夢の実現のために境港市に移住した。巻き網漁船でまかない料理づくりなどをして鮮魚について学び、現在は水木しげるロードで魚料理を提供する飲食店を営んでいる。飲食店主は実在し、加藤さんが小説に仕立てた。
作品の舞台は熊本、長崎、福岡の各県と境港市。高校卒業後に電気工事会社に就職した青年が、離職して自分探しをする。福岡県などで出会った人々から人生観や仕事観を学び、魚の料理人を目指すという物語になっている。
A5判、約100ページ。1冊1000円で販売している。問い合わせは加藤さん、電話090(1188)9214。(松本稔史)













