写真展の作品を紹介する矢田晃一さん=松江市袖師町、島根県立美術館
写真展の作品を紹介する矢田晃一さん=松江市袖師町、島根県立美術館

 島根県立美術館(松江市袖師町)ギャラリーで、出雲写真作家協会会長の矢田晃一さん(70)=出雲市高松町=が、写真展「月山富田城~山中鹿介幸盛の生涯~」を開催している。戦国時代の武将、山中鹿介に焦点を当て、安来市の月山富田城跡の風景などの白黒写真56点を来場者がじっくりと鑑賞していた。無料、29日まで。

 矢田さんは生まれ育った島根をテーマに45年間、撮影を続けてきた。個展は前作「神国出雲」から7年ぶり。撮影では鹿介の気持ちになって写真を撮るため甲冑(かっちゅう)を着て、当時の武将の思考を想像しながら作品づくりをしたという。

 作品「戦勝の誓い」は尼子と毛利の戦いを前に鹿介が本丸に向かって刀を掲げる姿をイメージした。空白のバランスや刀に日が当たってきらめく瞬間を狙ったお気に入りの一作に仕上がった。

 写真好き、歴史好きの両方の人が楽しめるように意識したという。矢田さんは「写真から季節を感じたり、当時の雰囲気を味わったりしてもらいたい」と話した。

 (岩田理子)