天皇、皇后両陛下と愛子さまは長崎訪問を終えられ、「戦後80年」の一連の訪問は終了した。各地で交流した若者たちは、「戦争を知らない第3世代の天皇家」と立場は同じ。長い戦後の時を超えて、いま、平和のため、天皇家に何が求められるのか。旅に関わった人々の声を聴いた。(共同通信=大木賢一)

 

 ▽慰霊だけでは限界

 20年近く皇室を取材してきた私は、天皇、皇后両陛下は両親である上皇ご夫妻の行いに固執することなく、自分世代ならではの、戦争との向き合い方を示していくべきだと常々思っていた。

 旅の始まりは太平洋戦争の激戦地・硫黄島(4月)だったが、ここは、かつて上皇ご夫妻も慰霊に訪れたことがある。どんな訪問に...