昨年、5年ぶりに復活した島根県美郷町都賀地域のアユの伝統漁法「簗(やな)漁」が今年は相次ぐ江の川の増水に泣かされる。住民有志らでつくる大和伝統漁業簗保存組合が設置した仕掛け「簗」が3、4両日の大雨による増水で壊れ、漁ができなくなった。増水による被害は8月に続き2度目。組合は13日の漁再開を目指し、復旧作業を進める。
簗漁は8月中旬から10月中旬にかけ、傾斜を付けた簗で流れをせき止め、落ちアユを打ち上げて生け捕りにする漁法。担い手の高齢化で2016年以降、休止されていた。昨年、住民や町出身者らが組合を発足し、漁を復活させた。
今年は8月15日に漁を始める計画だったが直前の13、14両日の増水で簗が土砂に埋まり、並べていた鉄製パイプの一部が流失。復旧作業のため、開始は30日に延期した。
ところが、始まって間もない今月3、4両日、江の川上流域の広島県側に大雨が降った影響で水位が上がり、簗が水没した。簗と岸の間を渡す鉄製の橋2本が流された。
組合は江の川の伝統を次世代につなぐとともに観光資源に育てたいと描く。運営費の大半は組合員17人の出資で賄い、資金繰りは楽ではない。相次ぐ被害も踏まえ、簗漁の継続に向け、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。
ウェブサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で30日まで募る。寄付額に応じ、江の川のアユや町内産のどぶろく、洋菓子などを贈る。組合事務局の高橋武司さんは「残していかなければならない江の川の伝統漁法。応援してほしい」と話した。
(佐伯学)














