江の川氾濫による被害状況を住民から聞き取る丸山達也知事(右)=江津市川平町
江の川氾濫による被害状況を住民から聞き取る丸山達也知事(右)=江津市川平町

 12日からの大雨による被災状況を把握するため、島根県の丸山達也知事が23日、江の川流域3市町と出雲市多伎町を視察した。被災者や首長から現状を聞き取り、復旧に向けた支援を国に働き掛ける考えを示した。

 江の川の増水でせき止められた支流の水があふれる「バックウオーター現象」が起きた江津市川平町では、山下修市長が空撮写真で冠水状況を説明。同席した農業者は水田が広範囲に浸水し、今後の収穫に影響が出る恐れがあると指摘した。

 丸山知事は同市桜江町田津も訪ね、2018、20年に続き3度目の床上浸水に見舞われた被災者から床や壁の被害を聞き「雨の降り方が年々激しくなっている。国や市町と協力して対策を早く講じ、被害を減らしたい」と強調。川本、美郷両町の商業施設の浸水被害も見て回った。

 地滑りによって国道9号やJR山陰線の復旧の見通しが立たない出雲市多伎町では「想像以上に大きな被害だった。応急対策から本格的な復旧工事へと国に強く働き掛けたい」と方針を述べた。 (福新大雄)