島根県西部を流れる清流・高津川でアユの網漁をする女子高生がいる。県立津和野高校1年の真庭悠萌(ゆめ)さん(15)は今年、800人近くいる高津川漁協(益田市神田町)の最年少組合員になった。高校生活の合間を縫って大好きな川に入り「もっと腕を磨きたい」と目を輝かせる。
益田市内の自宅近くを高津川が流れ、父太樹さん(44)の川船に3歳から乗り込んだ。
「師匠」と呼ぶ父に教わり、中学1年で投網を始めた。3年だった昨年に「刺し網がしたい」と許可が得られる漁協組合員に申請したが、高校生以上とする規則があり「待った」がかかった。1年越しで、今年5月の総会で認められた。
漁協によると、組合員は2024年12月末時点で787人おり、女性は10人しかいない。真庭さんは腕力を補うため、刺し網で長さ15メートルの重たい網を回収する際は手のひらに巻かず、肩にかける手法を独自に考えた。投網は「網がきれいに丸く広がると快感」と、体をひねり、遠心力を使って投げるこつをつかんだ。
「(仕掛けて)すぐに捕れる網が好き」と、じっと待つさお釣りには興味がない。夏休みの8月は週に1~2回漁をし、2キロ以上を漁協に出荷した。学期中は通学や部活で「川に入る時間がなかなか取れないのが悩ましい」と笑う。
父に連れられ、県外の川でも漁をしたことがある。「高津川の水は本当にきれいだなって思い、古里が誇らしくなった」。漁期は9月末までで、組合員1年目の漁の終わりが近づいてきた。「まだあと何日かできるはず。高津川でもっとたくさんのアユを捕れるようになりたい」と声を弾ませた。
(吉田雅史)













