2001年10月、当時6歳だった青塚梨奈さん(30)は、両親と生後1カ月の弟と一緒に茨城県神栖市木崎地区の平屋に引っ越してきた。田畑と住宅が混在するのどかな地域。地下水が豊富で、住民の多くは飲料水を含めた生活用水に井戸水を利用していた。
蛇口をひねれば、地下水が出てくる。井戸に備え付けた電動の「くみ上げポンプ」で住宅の水道に送り込まれるためだ。父・慎一さんは、この水で割った焼酎を「おいしい」と感じた。弟の琉時さんもこの水で溶いたミルクで育てられた。
しかし、この「おいしい地下水」が、梨奈さんの家族をはじめ地域の人々に災厄をもたらす原因になるとは、そしてその原因が60年以上前の戦時中に製造されたある兵器だったとは、...












