作品を紹介する安里純子学芸員=出雲市天神町、今岡美術館
作品を紹介する安里純子学芸員=出雲市天神町、今岡美術館

 出雲市天神町の今岡美術館で、歌川広重の「東海道五十三次」の作品を集めた企画展が開かれ、来館者は江戸時代の旅の様子を伝える作品を鑑賞している。29日まで。

 同館が所蔵する復刻版の木版画を展示した。53の宿場と出発点の江戸・日本橋、終着点の京都・三条大橋を合わせた計55作品を順番に並べた。縦27センチ、横39センチの色鮮やかな作品。

 雪の夜の様子が描かれた「蒲原 夜之雪」は濃墨と薄墨を使い分けて、夜の静けさを表現した。「原 朝之富士」は、画面の枠を飛び出して富士山が描かれ、大きさと美しさが強調されている。

 荷物の運送を担った人々、各地の祭り、幕府の行列などの場面も描かれ、当時の暮らしぶりを生き生きとした人物の表情から感じ取ることができる。

 いずれも江戸後期の版画技術が凝縮された作品で、安里純子学芸員は「旅の風景だけでなく、暮らしの様子や季節が美しく描かれている点にも注目してほしい」と話した。また、「季節のうつろい」をテーマに花などを描いた日本画、焼き物、掛け軸など34点の所蔵品展も同時開催されている。

 午前10時~午後5時。月曜日休館。入館料は一般・大学生600円、小中学生・高校生は無料。

(佐野卓矢)