大江 英樹氏
大江 英樹氏

老後貧乏にならないシンプルなルール

 支出入の可視化で不安解消

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が12、13の両日、松江、米子両市内であった。経済コラムニストの大江英樹氏(68)=東京都=が、「老後貧乏にならないシンプルなルール」と題して講演し、支出と収入の可視化といった手段で老後への不安を解消するすべを提案した。要旨は次の通り。

 老後の不安というのは誰しもが抱えている。昨年、老後の資金が2千万円必要になるという金融庁の報告書が報道され、世間で大きな話題になった。

 実は1984年に参議院であった委員会の議事録にも、老後に必要な消費支出から厚生年金支給額を差し引くと2600万円不足する、という報告が残っている。当時40~50代の人々が今生活できていないかというと、そんなことはない。あくまで平均値から積算した額であり、極端に心配する必要はない。

 不安になるのは、老後にどれだけお金が必要か、分からないからだ。私は定年直前、老後の支出や国民年金の見込み額などを積算し、見通しを立てることで安心できたし、今も続けている。このように一度、支出入の可視化をしてみることを勧める。

 老後のためには、必要なことを我慢する節約よりも、無駄を無くすことが重要だ。外食費や娯楽費を削る人が多い印象だが、人生を楽しむため仕事を頑張ってきたのに、老後で我慢するのはつまらない。

 スポーツジムの会費や保険といった、固定費と思いがちな支出が本当に必要か、もう一度考えてみてほしい。

 もう一つ覚えてもらいたいのは、退職金は給料の後払いであり、老後の生活資金だということ。世界一周旅行や投資につぎ込むのはお勧めしない。無理な生活をせず、自身のお金の出入りを把握することで安心して老後が過ごせるはずだ。