思いを受け継いで朗読と箏演奏を行う梅野美和子さん(左)と利部法子さん=浜田市三隅町古市場、石正美術館
思いを受け継いで朗読と箏演奏を行う梅野美和子さん(左)と利部法子さん=浜田市三隅町古市場、石正美術館

 【浜田】石正美術館(浜田市三隅町古市場)でこのほど、美術館の活動を支える地域ボランティアの朗読演奏会があった。活動の発案者で朗読担当の林田園子さん=享年(77)=が闘病の末、5月に亡くなり、思いを受け継いだメンバーらが、来館者を楽しませた。

 林田さんは開館当初からボランティアとして運営を支えた。昨年にはボランティアが得意なことで来館者を楽しませる試み「サポーターズ・FUN!」を発案。同じボランティアで、箏(こと)奏者の梅野美和子さん(74)らと共に昨年夏と秋に小泉八雲の怪談「耳なし芳一」などを披露した。

 病気で体調を崩したが、2月ごろに今回の朗読演奏会を自ら決め、闘病の励みにしていたが、5月10日、亡くなった。美術館によると、林田さんから「自分が参加できない時は録音を流してほしい」と音声テープを託されていたという。

 朗読演奏会では林田さんの録音音声の「琴姫のなみだ」に合わせ、梅野さんが情緒たっぷりに箏の音色を響かせた。「竜宮の嫁さま」では、林田さんの代わりに梅野さんの学友の利部法子さん(74)が大阪市から駆け付けて朗読した。約30人の来館者の中には、ハンカチで涙を拭う人もいた。梅野さんは「望みをかなえられてよかった。思いを継いで活動は続けたい」と目頭を押さえた。 (中村成美)